電子書籍と紙の本を使い分ける
本が好きです。 電子書籍が大好きです。 Kindleには1200冊以上の本が入っています*1。
簡単に購入できて保存場所も取らない電子書籍は最高だと思っていました。
しかし、最近、紙の本を買う機会が増えてきました。 電子版が出版されていなくて泣く泣く紙の本を買うことはこれまでにもありましたが、電子版が出版されているにもかかわらず紙の本を買うケースが出てきました。
そこで、紙の本と電子書籍の違いや使い分け方について考えてみたいと思います。
僕にとっての「読書」
読書に対するスタンスは人それぞれだと思うので、はじめに僕の考えや行動を明示しておきます。
読んだ内容をすべて覚えておくことはできない
僕は記憶力が良い方ではないので、読んだことをすぐに忘れてしまいます。 気になったところは「覚えておこう」と思いながら読みますが、それでも忘れてしまいます。 しかし、記憶力を大幅に向上させるのは難しそうなので、すべてを覚えておくことはできないと割り切って本を読んでいます。
読書を通して脳内にインデックスを作成する
読んだ内容を必ずしも覚えてられないのになぜ本を読むのかと問われれば、脳内にインデックスを構築するためだと答えます。 限られた記憶領域からより多くの情報をたどれるようにするため、脳の役割は「どこになにがあるかを覚えておく」ことにウェイトを置き、具体的なことや詳細は必要になったときに本を読んで調べます。 外部記憶装置としての本に効率的にアクセスできるようにする過程として読書があるという感じです。
良書は十分に安い
良書、特に技術書などの実用書に関しては学べる内容とその価格を比べると、とてもコストパフォーマンスが良いと考えています。 3,522円でコンピューターサイエンスに入門できるし、2,376円でDB設計の初歩についてしっかり学べます。
電子書籍 vs 紙の本
他にもいろいろありますが、僕が電子書籍と紙の本のどちらを買うか比較するときに主に重視する点をいくつか。
体積
体積の小ささでは電子書籍が圧勝です。 体積が小さいと保管場所が節約できて良いです。 また、保管場所とは別の観点として持ち運びやすさがあります。 たとえば、DDD本を持ち歩こうとすると結構大変ですが、電子書籍であれば簡単に持ち歩けるのでいつでも読み進めることが可能になります。
アクセス方法
ページを飛ばしたりパラパラめくったりするようなランダムアクセスでは圧倒的に紙の本が使いやすいと思います。 逆にシーケンシャルアクセス、つまりページを順に読んでいくのであればそれほど大きな差はありません。
貸しやすさ
電子書籍は非常に貸しにくいです。Kindle端末を貸すのは厳しい*2し、PDFをコピーして渡すわけにはいきません。 その点、紙の本は手渡しできればさくっと貸せるので、ある方法論を布教したいときなどは紙の本のほうが有利です。
背表紙
電子書籍にはない紙の本の特徴として「背表紙がある」という点があります。 自席に置いておくことによって、その本に対する意識が定期的に喚起されます。 また、周囲の人に対して自分が興味を持っている領域をそれとなく示す効果もあります。
使い分け方
シーケンシャルに読むものは電子書籍
上で述べた「かさばらないしどこでも読める」というのが非常に便利なので、冒頭から順に読むものは基本的に電子書籍で買います。 漫画や小説はもちろんですし、一通り読んで脳内にインデックスをつくるタイプの本も基本的には電子書籍で買います。
ランダムアクセスが多いものは紙の本
リファレンス系の本などはランダムアクセスが圧倒的に多いので、電子書籍を買わずに紙の本を買います。 また、電子書籍で読んで今後も結構な頻度でランダムアクセスしそうだと感じた本は紙の本で買い直します。 たとえば、徳丸本は電子書籍で読んで脳内インデックスを作った後に参照用に紙の本で買い直しました。
さいごに
電子書籍で買った本を紙の本で買い直すというのは、多くの人の理解を得られない気がしています。 ただ、良書は十分に安いということと、多くの人の読書量は書籍代ではなく時間がボトルネックになっているであろう状況を鑑みると、書籍から最大の効果を引き出すためには悪くない方法だと考えています。