ネットの海の片隅で

技術ネタの放流、あるいは不法投棄。

2019年振り返り

毎年恒例の振り返り。

2019年が終わってしまいそうなので、急いで書き殴る。

理想と現実

理想と現実のギャップに向き合った1年だったように思う。

理想と現実というとネガティブな文脈で使われがちな言葉だと思うが、ここではそういう意味ではない。 むしろ、理想と現実の両方をしっかり見据えた上で、そのギャップを埋めていくことに価値を感じる。

理想

でかいところでは「テクノロジーはもっと人間を幸せにできる」と思っている。

最先端の技術とかも良いけど、普通の技術がもっと広く当たり前に使われるようになると良いなという気持ちが強い。 今まで情報技術の光があまり当たっていなかったところに光を当てることに興味がある。

現代において電力を使わずに成立する事業がほとんどないように、これからは情報を使わずに成立する事業もなくなっていくと思っている。 そして、多くの人が使う技術になるためには、エンドユーザーにとって透明なテクノロジーにならないといけないと思っている。

仕組みを知らなくても運転できる自動車のように、原理を知らなくてもコンセントに挿せば動く電気製品のように。

高度に発達した科学は魔法と区別がつかない――かもしれないが、一般魔術師は呪文さえ知っていれば魔法を使える。

挑戦と失敗

挑戦はした。 一方で大きな失敗はしていない。

ただ、ベンチャーに身を置いている以上、前進していないのは失敗だと思うので、そういう意味では失敗もしている。 一方で今年1年で学んだことは多く、学びを成果とするなら一定の成功を収めているとも言える。

学びを得た以上、それを活かさないと意味がないので2020年は圧倒的な成果を上げるぞという気持ちでいる。

おわりに

例年よりポエみが高い気がする。

来年も1年がんばるぞい。

NETGEAR WAC505 を買った

新しいオモチャとして NETGEAR WAC505 を買った。

買う前の調査であまり情報を得られなかったので、使ってみた感じをざっくり残しておく。だいたいスクショ。

モチベーション

クラウド管理的なネットワーク機器を触ってみたかったが、Cisco Meraki とかは個人では厳しいので NETGEAR Insight を触ってみることに。

構成

昔から使っている Apple AirMac Extreme の下に NETGEAR GS308P を接続して、GS308P 経由で WAC505 を接続。

WAC505 へは GS308P の PoE で給電。

WAC505 は AC アダプタが付属しない(別売)。 AC アダプタを買うくらいならと思って PoE 対応スイッチである GS308P も一緒に買った。

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NETGEAR WAC505 と NETGEARGS308P

NETGEAR Insight のスクリーンショット

以下のスクショはすべてクラウドサービスである NETGEAR Insight の画面。つまり、外出先などからでもアクセスできる。

トップ画面

Insight には「ロケーション」という概念があって、トップ画面にはロケーションの一覧と各ロケーションの簡単なステータスが表示されている。

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トップ画面

ロケーション

ロケーションを選ぶと、そのロケーションの概要を見ることができる。

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ロケーション概要

アクセスポイント

ロケーション内のアクセスポイントの一覧・トラフィックの状況などを見ることができるほか、SSID の追加などの設定変更もここから行なうことができる。

ただ、ビーコン間隔の設定項目などはない模様。

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アクセスポイント概要

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アクセスポイント詳細

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アクセスポイント設定画面

ファームウェア

各デバイスファームウェアバージョン確認、ファームウェアの自動更新設定などを行なうことができる。

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ファームウェア画面

バイス

ロケーション内の Insight 対応機器一覧。

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バイス画面

クライアント

ロケーション内のクライアント一覧。RSSI をサクッと見れるあたり地味に便利そう。

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クライアント画面

Managers

管理者を増やすことができる。複数人で使うなら必須と言って良い機能。

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Managers 画面

通知

電源断やネットワーク断など availability 関連のイベントはスマホの Insight アプリに push 通知が飛んでくる。

Web の管理画面では connected/disconnected イベントなども通知されているが、こっちについては「これいる?」感がある。

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通知(右上部分)

所感

インストールは Insight アプリを使うと一瞬で終わった。便利。

管理画面も概ね使いやすくて良い。

SSID の設定などは各 AP に対して都度行なう必要があるっぽい。 多数の AP を管理するようになると、設定を作っておいて各 AP にアタッチするみたいなことをやりたい気がする。

Insight Premium の料金が ¥120/device/month と安いので、複数拠点のネットワークをシンプルに集中管理したいときにはコスパが良さそう。

総合的に、とても良い製品だと思います。

今後

WPA2-Enterprise に対応したい。

おわりに

オレ、NETGEAR、スキ。

上海の空気を吸ってきた

2019-09-12/15 の3泊4日で上海に行ってきました。

目的は話題になっている店舗やサービスを自分の目で見て体験してみるため。

同行者は @UandG1 とその友人1名でした。

@UandG1 のエントリはこちら ↓

yujimiyakawa.hatenablog.com

せっかく行ってきたので、感じたことを雑に吐き出しておこうと思います。

行った場所・体験したサービス

主なもの。

各店舗・サービスについては詳細な記事などがいっぱいあるのでggrks。

  • 盒馬鮮生
  • 盒馬菜市
  • Pick'n Go(盒馬系)
  • 逸刻 EGO
  • luckin coffee
  • DiDi
  • Mobike
  • Metro 大都会
  • WeChat
  • Alipay
  • デリバリー関連施設
    • シェアキッチン(熊猫星厨)
    • 配送用食品倉庫

所感

キャッシュレスにとって一番大切なこと

今まで個人的に非接触系の決済方法を推していたし、決済するタイミングだけを考えると QR コード決済はあまり良くないと今でも思っている。

コンビニでの Alipay での支払いにしても地下鉄アプリ「Metro 大都会」にしても、決済をするタイミングで画面を表示する必要があるし、そのたびに読み込みが発生するのがしんどい。 この点だけ見ると Suica や iD などには及ばないし、特に改札のスループットSuica の足元にも及んでいないと思う。

ただ、上海での4日間で Alipay が使えないシーンがまったくなく、日本に帰ってきてから「あそこは iD 使えるんだっけ」みたいなことを考えた瞬間に日本のキャッシュレスのの不便さを痛感した。

現金のように本当にどこでも使えて、現金よりもはるかに簡単に送金できるキャッシュレスは控えめに言って最高の体験だった。

流動性の高さ、本当に大事。

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問屋みたいな店でも Alipay が使える

前提としてのスマホ

上海でスマホを持っていないと、生活がめちゃくちゃ不便になる。

スーパーマーケット(盒馬)で買い物することができないし、DiDi や Mobike で移動することもできないし、地下鉄に乗るたびに切符を買わないといけないし、luckin coffee でコーヒーを買うことはできない。自販機も現金を受け付けないものが結構あった。

一応、盒馬や地下鉄ではスマホなしの場合も想定しているが、あくまで例外としての扱いで利用者は原則としてスマホを持っているという前提になっている。

スマホをオプションではなく前提として置いた結果、現金の取り扱いがなくなる、レジを置く必要がなくなる、行列をつくる必要がなくなるなど、圧倒的な効率化を実現している。

また、スマホがないと生活が不自由になるという都合上、街中のいたるところにレンタルモバイルバッテリーがあって、バッテリー残量が減ってきたら簡単に充電することができる。 (もちろん Alipay などで払える)

自転車・原付に適した交通事情

大きく以下の3つ。

専用レーン

上海では(地域によるが)自転車・原付専用レーンが設置されていることが多かった。 そして、なんと、都内と違って専用レーンが機能している!

自分でも Mobike で走ってみたが非常に走りやすかった。

駐輪場

歩道のいたるところに白い枠が引かれていてその中に駐輪することができる。

この枠があることで Mobike などのシェア自転車を好きなところで乗り捨てられるし、デリバリーに使われている電動原付*1を停めることもできる。

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駐輪の様子(点字ブロックの扱いはひどい)

一方、都内は自転車や原付を停める場所はあまりないし、駐輪場もそんなに多くない。結果、シェア自転車がステーションでしか乗り降りできないので利便性が低くなってしまう。

地形

上海の地形はほぼ完全に平らで自転車移動に適している。

一方、都内は(東部以外は)アップダウンが多いため、電動自転車を設置する必要があるなど、シェア自転車のサービスを提供するには難易度が高い。 (国内だと地形的には京都市内とかが良さそう)

各サービスを支える安価な労働力

盒馬や饿了么(うーらま)のデリバリーサービスも、DiDi の格安タクシーも、その輸送を実現する安価な労働力なしでは実現できない。

このへんは良し悪しあると思うが、とりあえず、圧倒的に違う、という話。

メディア越しだと良く見えすぎているところもある

発展著しいのは間違いないし、日本にないものもいっぱいあるが、100%完璧かというと当然そんなことはない。

新鮮さを売りにする盒馬鮮生の生簀には新鮮とは程遠い魚が沈んでいた。 (もちろん生きているのが大半ではある)

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生簀で死亡している魚

治安

治安がめっちゃ良い。

深夜に歩いていても危険を感じないし、女性1人で歩いている姿も何度も見た。

ルフレジが普及しているが、そのセルフレジに対しても特に監視などがされている感じはない。

さいごに

めっちゃ楽しかった。

上海到着当日に @horamune163 さんに見どころ案内をしていただいたのもあって、非常に充実した4日間を過ごすことができた。

ここには載せていない写真や整理しきれていない考えもあるので、もっと誰かと話してみたい気持ちがある。

*1:自転車扱いで、免許なしで乗れるらしい。ほとんど音がしなくてめちゃくちゃ静か。接近に気付けないこともあってちょっと怖い。